野生のチューリップの夢

野生のチューリップを摘みに行った。野生のチューリップはとても素朴で控えめな色をしていた。天気も良くなかったし、まるでモノクロームの世界のようだ、と思った。それは深い谷を挟んだ反対側の丘に群生していて、そこには歩いて辿り着くことは出来ない。今では付き合いの無くなった昔のクラスメイトたちと一緒になって、木の枝やツタを駆使して、野生のチューリップを摘もうと、触れようと試みた。幾分かの申し訳なさを感じつつ。