意識低い系カフェ

 カフェが好き、というとオシャレな趣味だと誤解されがちであるが、私は意識低い系カフェが好き。小洒落れた内装でフカフカのソファーなんぞに座って、ラテアートが施されたコーヒーをすする。あるいはスタバでなんたらフラペチーノをすすりながらMacBook開いてドヤ顔、みたいなのが意識高い系カフェだとすると、意識低い系カフェはその対極。起きてるのか寝てるのかよく分からないおじいちゃんが隣で競馬新聞広げてる、みたいなのが意識低い系カフェ。ってことで、意識低い系カフェを語るぞ。


1. ドトール
 言わずとしれた全国チェーンの喫茶店。ザ・スタンダードって感じで小洒落れた飲み物はそんな多くない。コーヒー一杯200円ちょいで飲める。暇を持て余したおじいちゃん、時間潰しのリーマンがいっぱいいる。意識低い系カフェ認定されるためにはこの手の人たちは必要条件。ドトールのコーヒーの味結構好きなんだよな。飲み慣れてるからかな。ここの氷は粒が小さいから、ガムシロとか混ぜる時に小気味良い音を立てるんだよな。街でドトールを見かけると安心してつい駆け込み寺しちゃう。そんなドトールだけど悲しい思い出がひとつある。冷凍都市TOKYOに住んでいた時、目白駅前にチャリンコを停めてドトールで小一時間ほどくつろいでたら、愛車が一瞬で撤去されていて茫然と立ち尽くしたことがある。ファッキン豊島区政。しかも引き取り料が高額で買い直した方がいいレベルだったから泣く泣くさよならした。愛車のナンシー号(シド&ナンシーのナンシー)はきっと中国か東南アジアに輸出されてしまったに違いない。いつだって別れは突然訪れるのだ。


2. ベローチェ
 ベローチェは都心しかないイメージ。ドトールに比べると店内は広め。こちらもおじいちゃんとリーマンの溜まり場と化している場合が多い。お手洗いはなぜか若干ハイテクで、鍵をかけるとお手洗い入口の「使用中」ランプが点灯する店舗が多い。これによって、トイレ前でまだかまだかと便意を抑えつつ無為な時間を過ごすことがなく、スマートに排便することが可能。コーヒーはやはり200円ちょいで飲める。席数が比較的多く、ほぼ100%席が空いているので入りやすい。


3. シャノアール
 こちらもベローチェ系列のチェーン店。昔ながらの喫茶店という感じ。コーヒーは一杯350円くらいだったかな。コーヒーにソフトクリームが乗っかったコーヒーフロートが好き。ココアにもソフトクリームが乗ってたっけ。大学の授業の合間によくここでボーッとしていた。懐かしいなあ。また行きたいなあ。

 

4. ラポール
 こちらは高田馬場にあった個人経営の喫茶店。ここにはホントに良く通った。いわゆる常連、行きつけの店ってやつ。うふふ。多い時は週5,6行ってたと思う。もはや常連というよりヌシ。コーヒー1杯230円で、おかわり100円。店員さんも感じのいい人ばっかりだった。居心地が良すぎてついつい長時間居座ってしまったけど満席になることは無かったからいいよね。大学のサークルの人たちも利用してたから結構顔を合わせることも多かった。この店で数えきれないほどの本を読み、友人・先輩・後輩と他愛のない会話をしたり、時折少し真面目な話もした。しかしこの店は大学卒業後、ほどなくして閉店。今はチェーン店に変わってしまった。人生のモラトリアムの思い出の地が静かにその幕を閉じたことに胸を痛めた。ああ、またラポールのアイスコーヒーが飲みたい…。復活を望む。



おまけ:意識低い系ではないけどよく利用する店
1. コメダ珈琲店
 家の近場に意識低い系カフェがないので利用している。コーヒーが420円と意識低い系カフェと比べると高めだけど、長時間居座れるので利用率高し。アイスコーヒーを頼むとガムシロ入りがデフォルトで出てくるので、いつも「ガムシロ別添えで」の呪文を唱えている。スタバの「なんとかかんとかのなんたらフラペチーノ」に比べたら遥かに簡単な呪文。ドラクエでいう「メラ」くらい。コメダは食べ物がボリューミーなんだよね。コーヒーの味は…ノーコメントで。


2. サンマルクカフェ
 某大型ショッピングモールに入ってる率が高い店。チョコクロとかパフェとかあるし意識低い系とは言い難いが、コーヒーは200円台とリーズナブル。甘味のメニューが豊富だからなのか知らんけど、ここのコーヒーはちょっと苦みが強め。あとショッピングモール内のテナント店だと便意を催したときにお手洗いが遠いのがネックなんだよね。一度店を出てテクテク歩いてかなきゃならんので、お店に入る前には一度お手洗いを済ませてから入ることをオススメします。コーヒーは利尿作用があるのでどうしてもトイレが近くなっちゃうからご利用は計画的に。

 

追記:なんとなく検索したらラポールのHPがまだ残ってたよ懐かしいいいい…!

高田馬場カフェ・ラポール